「ある晴れた日の素朴な会話」




「海堂先輩ってさ、桃先輩と話してるとやたら口数増えるっスよね。」
青学の注目ルーキー越前リョーマが、おもむろに隣りに立つ乾へ向けて言った。
「そうだな。
ついでに言うと桃の方も、普段あれだけ人当たりが良いクセに海堂に“だけ”はやたら突っかかるしな…。」
話を振られた乾がいつもの坦々とした調子で返す。

「やっぱ、気付いてますよね。」
「当然だろう。というか、この部活内で気付いてない方が珍しいだろう。」
「…そうっスね。あの手塚部長はともかく、その他の人間はみんな気付いてるっスすよね…。」
だがそんなリョーマに、溜め息混じりで乾が呟やいた。
「いや…。ところが、だ。一番重要たる人物達が気付いていない。」
「・・・・・・・・・・。
・・・
無意識ってやつっスか。どうにかなんないですかねですかね。あの2人…。」
こちらも、やはり溜め息混じりである。
「俺の計算によると、90%以上の確率で、あと1年は無理だろう。」
「・・・鬱陶しいっスよね。
つか、たまにボールぶつけたくなりません?」

「そうだな。」(キッパリ)

「自分たちの事なのに気付いていないなんて、あの2人も、
まだまだだね。」
「まったく。」


「「はぁ〜〜〜…。」」
2人揃ってでっかい溜め息。そして、さらに続く嘆きの声。




「いい加減くっついてくれないかなぁ…。」
「いい加減くっついてくれないっスかねぇ…。」

その声は見事にハモっていたのだった─────…。



この直後、2人の間である抱負が生まれたとか、生まれなかったとか。
そして、それが、


「桃城と海堂の2人を今年中にはくっつけよう。」



で、あったかは定かではない────…。




終劇




『準備号』と『引力』という今通販しています本に掲載した、8コマ漫画のプロット小説です。
何だかこの話の乾とリョーマの関係は、ウチのキャラクター関係を深く現したものだと思います。(なので、載っけてみたり…)
どうも那岐は三角関係とかがニガテなもので、この2人はこういった位置にいます。
乾は、海堂を何処までも猫可愛がりした“お兄さん”で、リョーマは、桃城を世話の焼ける、だけど大事な“兄キ”だと思っています。
こんな4人の関係はダメでしょうか…?
那岐はこの関係図結構気に入っていたりするのですが。



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